倖せなど、無かったんだ


先刻、電話でとても悲しい事を伝えられました。

遠くへ、行ってしまうのです。


私はその人から、

沢山の事を教えて貰って、
足りないくらいの言葉をくれて。

屹度、その人が居たから、生きてきたようなもので。


どうすれば良いんだろう。

暗闇をてらしてくれたのは貴方なのに。

貴方が居なくなったら、

また私は暗闇に怯えて、しまうのですか。


やっと、太陽の温もりを知ったのに。




倖せなど、なかったのに。
其処にあったのは、
何でもないような他愛のない日常。

それが倖せなのだったと、
何故今頃になって気付くのですか。

また私から、大切なものを奪ってゆくのですか。




今はまだ、
絶望を見ないようにはしています。

お別れは、笑顔で云おうと。
貴方の笑顔の様に。




泣けない悲しみを、やっと知りました。